実験ノートは研究に欠かせないものですが、書き方を教わる機会はあまりなく、どのように書いたらいいのか分からないという大学生・大学院生は少なくありません。
この記事では、実験ノートの書き方の基本を分かりやすく紹介します。
実験ノートはなぜ書く必要があるのか
実験ノートは自分が実験を行った唯一の証拠となるものです。
そのため研究において実験ノートを書くことは必須事項となっています。
また、日付の記載をするため自分のアイデアや取り組みの特許を申請する際などにも役立つようです。
実験ノートを書くときの筆記用具
実験ノートを書く際には、必ずボールペンを使います。
鉛筆やシャープペンシル、フリクションなどの消せる筆記用具は改竄などのおそれがあるためNGです。
実験ノートを記入する際のオススメのボールペンについては以下の記事をご覧ください!
実験ノートの具体的な書き方
まず、実験前に以下のように実験ノートを書きます。
日付・実験番号
日付を書き、いつ取組んだ実験かを明確にしましょう。
これにより、ノートと電子データを対応付けたり、後から見返すときに整理しやすくなります。
実験の目的
次に、今回の実験は何を目的として行うものなのかを書きます。
どのような仮説があり、それを検証するためにどのような実験をするのかを完結に書きましょう。
実験の手順
実際に実験を行う前に、どのような手順で実験を行うのかを書きます。
また、使う試薬の型番やLotについても記載しておきましょう。
特に生物系では、商品の型番やLotの違いによって結果も大きく変わることもあります。
異なる結果が得られた理由を考察する際にも、商品の型番やLotの情報は必要となります。
上記の内容を全て記載してから、実際に実験をスタートさせます。
事前に記載した手順に沿って進めていき、途中で修正が必要になった場合には修正ペン等で消したりせず、取り消し線(横線)を引き、修正後の情報を追記します。
追記情報であることを明確にするため、ペンの色を変えるのも良いでしょう。
結果(生データ・整形データ)
何かしらの測定機器を使用して得られた数字など、そのままのデータのことを生データ(raw data)と言います。結果には、まず生データをそのまま印刷し、ノリやテープで貼り付けます。
その後、生データを使ってExcelなどでグラフ化したり統計解析を行ったりします。
このように生データを使用して作るデータを整形データといいます。
整形データも同様にノートに貼り付けます。
今回の実験の考察
得られた実験データから考察をします。
実験を進めるうえで考察は最重要なポイントと言っても過言ではないでしょう。
以下のような観点から考察をすると良いと思います。
- 結果は予想通りだったか
- 予想通りでないなら、なぜそうなったか
- 得られた結果は妥当か
- 新たな仮説は生まれたか
次回の実験予定
例えば、今回の実験では予想通りの結果とは正反対の結果が得られ、自身の仮説が間違っていた可能性があるとします。
次は、その仮説が間違っていることを裏付けるデータを取るにはどうしたらよいか、どのような追加実験をすればいいかを考え、次回の実験予定に書きます。
まとめ
今回の記事では、実験の書き方について詳細に解説をしました。実験ノートは、自分が実験をした唯一の物的証拠です。この記事を参考にして皆さんの研究がより良いものになることを願っています。
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